「よく分からないけど、AI使えるようにしたい」

 

研修を提供している私ですが、直接営業に回る時間はなかなか取れないため、仲介業者さんを間に挟むことも多くあります。

 

仲介業者さんからお仕事をいただくわけですが、たまにこんな依頼があるわけです。

 

 

「AIを使って業務効率を上げたいそう。よく分からんけど」

予算も対象人数も決まっている。けれど、受講後に何ができるようになっていてほしいのかは、AIで何ができるか分からないから誰も言えない。

 

仲介業者さんもAIに詳しくない場合、要望イメージだけで丸投げされるケースも結構あるわけです。

 

 

中身を誰も定義しないまま、研修だけが流通している

ここが今、私が最も強く感じている課題ななのですが、仲介する業者は、要望があるからそのまま流す。

 

提供する側も、要望がぼやっとしているから、既存のカリキュラムをとりあえず提供する。

 

誰も悪くないのに、中身を定義する人が一人もいないまま研修が動いていきます。

 

何となく提供していることで、実施後「思ってたのと違ったな」「結局実務でどう使えばいいの?」と思わせてしまうケースは意外と多いのです。

 

 

数字にも、その曖昧さは表れている

帝国データバンクが2026年3月に全国10,312社から回答を得た調査では

 

生成AIを業務で活用している企業は34.5%の内、活用上の課題には

 

●「専門人材・ノウハウ不足」41.3%
●「生成AIを活用すべき業務の範囲」40.0%

 

自社で使いどころを定義できない。それが知識不足由来なのか、マネジメント由来なのかも分からない。

 

曖昧さが、そのまま横流しされているわけです。

 

 

「AI研修」って1種類?

 

英語研修を発注するとき、日常会話とTOEIC対策と商談英語では中身がまったく違うと、誰もが知っています。

 

だから自然と言語化されます。

 

ところがAIになると、単一のメニューが存在するかのように語られてしまう。

 

逆に言えば、中身が何種類あるかさえ知っていれば、自社に必要なものを整理しやすいということです。

 

 

AI研修はざっくり三段階

レベル①:リテラシー教育

何をしてよくて何がダメか、情報の取り扱いの線引き。プロンプトの型もここです。

ただしAI自体が賢くなり、細かなテクニックの重要度は以前より下がった印象があります。

 

▶レベル②:他ツールとの連携

APIを使い、既存のDXツールとつなぐ領域。

APIとは、ソフトウェア同士をつなぐ窓口のことです。

人が画面を開いてコピペしなくても、システム同士が直接データをやり取りできるイメージです。

M365やGoogle Workspaceをすでに導入していて、できることのイメージを広げたい企業から、引き合いが最も多い層になります。

 

レベル③:自社仕様の構築

RAGの環境構築、カスタムチューニング、評価指標の読み方など。

自社専用にAIを作り込む段階で、大手企業以外はあまり踏み込みません。

 

よくあるのは、②を期待していたのに、届いた内容は①どまりだったというパターンです。

アンケートに「知っている話だった」が並ぶ。その多くは、講師の質ではなくレベル設定のズレなのです。

 

 

まずレベルだけ決めてみる

学ばせたい内容が具体的でなくても構いません。

 

「うちが欲しいのは②だ」。その一言さえあれば、仲介業者にも研修会社にも、ズレなく伝わります。

 

議論すべきはカリキュラムの細部ではなく、

 

①自社が今どの段階にいて
②次にどこへ進みたいのか

 

①が固まっていない組織に②を入れても定着せず、②で十分な会社が③に手を出せば投資は回収できません。

 

御社は今、どのレベルにいるでしょうか。その見極めからご一緒するのが、私たちの仕事です。