皆さん、こんにちは。今回は「部下の生産性が低い」と悩むマネージャー向けに、背後に潜む3つの理由と、それに対処するための効果的なマネジメントについてお話ししましょう。
「ジョブ強化」のマネジメントしかできない上司が多い
人材育成に悩む多くの企業において用いられている「ジョブ強化型のマネジメント」は、
①昇進や昇給の条件を与え
②仕事の質を求め
③進捗報告を常に求める
といった手法を用いるマネジメントで、これには「既に決まったフローの業務を正確にこなさせる」という利点があります。
一方、このマネジメントの副作用として、
●変化や革新性が低下し、長期的な視点から企業全体を成長させる人材が育ちづらい
●リーダーが業務フローの“最適解”を常に提供する必要がある
●マイクロマネジメントに陥りやすく、部下の意欲低下を引き起こしやすい
つまり、部下にしっかり業務をこなさせ、短期的&末端的な業務遂行で成果を上げられるが、長期的に会社を成長促しづらい。
そして、労働人口が豊富だった高度成長期に、このマネジメント法だけで“上手くいってしまった”弊害が、労働人口の減った今、生産性の低下を引き起こしているのです。
「メンバーシップ強化」のマネジメントが不足
「ジョブ強化型のマネジメント」に加えて必要なのが、「メンバーシップ強化型のマネジメント」です。これは
●目的やミッション、理想を語る
●働く意義や意味を見出すサポートし、鼓舞する
●新しい視点を提供し、革新を促す
●失敗を含めた経験・学習機会を提供する
部下との信頼関係(≒会社と部下との信頼関係)をベースに、部下本人の意欲で持って、会社にとって必要になるであろう、新たな仕事・仕組みを生み出す人材を育成します。
これをできる上司が不足していたからこそ、今『次世代リーダーの不足』が問題視されているのです。
「雇用形態」と「業務種別」を一致させる
日本企業の多くは「雇用はメンバーシップ型でありながら業務はジョブ型」という少し特殊な構造になっています。例えば「派遣やアルバイトが正社員と同じ業務をしている」様な“コストの異なる人材が同じ業務を行っている”ケースも少なくありません。
しかし、上記2つのマネジメントを効率よく機能させるためには、
①決まったフローの業務はアルバイトや地域限定採用の社員
(特殊な技能が必要な場合を除き)
②新しい仕事や仕組みを作る側の仕事は正社員
の様に、各社員ごとに
●雇用形態(採用)
●業務種別
がジョブ型 or メンバーシップ型どちらか一方で統一できる様に整理する必要があるのです。
まとめ
ジョブ強化型とメンバーシップ強化型のマネジメントをバランス運用するために、まず人的コストを適切に整理することが重要です。
2つのマネジメントを併用できる様になると、短期的な部下の生産性向上するだけでなく、今多くの企業で不足していると言われている『次世代リーダー(今後企業の中核を担っていくリーダー)』が育つきっかけになるので、是非取り組んでみてください。