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採用や人材定着に悩んでいる中小企業は多いと思いますが、正直なところ、中小が半端にお金をかけてもできることはほとんど無いのが実情。
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そこで、まずは簡単にできることをお伝えしたいと思います。
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評価制度の“運用”を正す
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まず一番効果的なのは、管理職や上司の「評価制度の運用を見直すこと」です。
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これの肝のなるのは、制度そのものでなく“現場での運用”を見直すことにあります。
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評価制度そのものを見直すのはお金も労力もかかりますが、運用方法の改善は比較的簡単で効果も高いのです。
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なぜかと言うと、キャリアコンサルタントとして若者と面談して気づいたのは、ほとんどの若者は職場が嫌で辞めるワケでなく「別にここじゃなくてもいいわ」で辞めるから。
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特にU34人材は選択肢も多いので「この職場しょーもないな」と少し感じるだけで簡単に離脱されてしまうのですが、『しょーもない感』を生み出すのは、いつだって制度や待遇などのハード面ではなく、職場の空気や上司のマネジメントなどの“ソフト面”なのです。
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評価で最も大事なのは「公平“感”」
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社員が評価に公平性を感じている企業ほど、人材定着率も高く、生産性も上がることが分かっています。
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ここでのポイントは、公平“感”を感じさせること。
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「結果」が公平であるよりも「プロセス」が公平である方が、人は公平性を担保されていると認識するものらしいのです。
Greenberg, J. (1987). Reactions to procedural injustice in payment distributions: Do the means justify the ends?. Journal of Applied Psychology, 72( 1), 55-61.
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<公平性を保つ4つのポイント>
●結果
・給与、出征、福利厚生あらゆる結果
●過程
・意見を述べる機会があったか
・過度の一部の人の意見が反映されてないか
・直感や思い込みでなく、多角的な情報に基づいているか
●感情(コミュニケーション)
・敬意が払われているか
・タイムリーであるか(後回しにされたりしてないか)
●情報開示
合理的、道理的であると判断できる説明がされるか
必要な情報が開示されているかどうか
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これらを意識して、上司が評価のプロセスを丁寧に説明するだけでも、離職率を大きく下げることができるんです。
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損をしてでも「公平性」を求める
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経営者が思っている以上に、私たちは「公平性」のあるコミュニティに所属したいと思っているものです。それを証明するある実験を紹介します。
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【リチャード・セイラーの実験】
実験の対象者を集めて、「お金を渡しますので、皆で分けてください」と伝えた上で、分け方を2パターンから選べるようにしました。
A)自分だけ18ドルを貰い、残りを2ドルずつ皆で分ける
B)皆で10ドルずつ分ける
⇒ 結果74%もの人がBを選択
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様は、自己の利益よりも「公平性」を重視したワケです。ただこの実験には続きがあります。
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【続きの実験】
別の対象者グループに対して、
A)先の実験で「自分だけ18ドルを貰い、残りを2ドルずつ皆で分ける」を選んだ人と12ドルを分け合う
B)「皆で10ドルずつ分ける」と10ドルを分け合う
⇒ 結果、81%もの人がBを選択
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つまり、自分が損してでも人は「公平性」を強く求めるんです。
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また、別の実験では、特に互いに顔を知っているコミュニティほど、この傾向がより顕著になることが分かっています。
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職場というコミュニティに長期的に所属してもらいたいなら、評価の公平性は必須要素なワケです。
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まとめ
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採用や人材定着に苦しんでいる現状では、中小企業はお金をかけて新たな評価制度を導入するよりも、現在の評価制度の「現場での運用」を見直す方が手が付けやすく効果的であると想像して貰えたのではないでしょうか。
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まずは、上司や管理職が評価プロセスの透明性を高めて、結果を丁寧に説明することから始めてみましょう。
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これだけでも、社員の満足度とモチベーションを大きく向上させることができますよ。
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