皆さんの会社は『キャリアコンサルティング』を社員へ実施したことはありますか?

 

意外なことに、日本に厚生労働省の統計調査によると、社内に「キャリアコンサルティングを行う仕組みがある」と答えた企業は平均して4割以上あると”されています”。

 

画像出典:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタントの現状」

 

「いやいや、にそんなに多くないよな…」

 

そう思い詳しく調べてみると、上司との面談の様なものも含まれており、かなり広い意味で扱われている様なので、

 

①有資格者が実施
②「社内でのキャリア」を超えたキャリア形成支援

 

を行っている企業はかなり少ないのではないでしょうか。で、ここからが本題なのですが、『「社内でのキャリア」を超えたキャリア形成の支援』を行うことは、生産性の向上や人材不足解消に有効であることが分かっています。

 

今回は、中小企業ほどキャリアコンサルティングの実施すべき理由についてお伝えしたいと思います。

 

 

『キャリア自律性』が高いと、社員のパフォーマンスはアップする

『キャリア自律性』という、この聞きなれない言葉を補足すると「自身のキャリアについて、関心を持ち、計画を立て、自律的に行動していく性質」のことです。

 

下記の調査によると、このキャリア自律性が高まるほど、パフォーマンス(≒生産性)が高まることが分かっています。

 

また、このキャリア自律性は、上司やコンサルタントのキャリアコンサルティングを通して高めることが可能なのです。

 

【参考文献】
Rudolph, C. W., Lavigne, K. N., and Zacher, H. (2017). Career adaptability: A meta-analysis of relationships with measures of adaptivity, adapting responses, and adaptation results. Journal of Vocational Behavior, 98, 17-34.

 

 

「採用」のためにキャリアコンサルティング制度を

 

特に中小企業には採用の観点からも『「社内でのキャリア」を超えたキャリア形成の支援』が重要です。

 

 

過去の記事でもご紹介してきましたが、生産労働人口の減少が加速する中(向こう20年で30%減る)

 

 ●年収格差:230万以上
 ●休日日数差:13日+特別休暇数
 ●奨学金代理返済制度などの支援制度
 …

 

など大手企業との待遇格差が大きい分、社員が「キャリア形成上何を求めているか?」を把握して、支援する体制と仕組みを整えない限り、間違いなく離職率の増加・採用力の低下を招いてしまうのです。

 

 

問題は『時間』と『価値観』

画像出典:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタントの現状」

 

 

厚生労働省の統計結果をまとめると、キャリアコンサルティングの導入阻害要因になっているものは下記の通りです。

 

 ●導入の効果
 ●時間
 ●実施担当者の能力開発

 

やはり大きな問題になるのは『時間』。新たにキャリアコンサルティングを実施する時間を捻出するのは難しい様です。そこで、おすすめなのが「評価時期のフィードバック面談時期に上司がキャリアコンサルティングを実施する」というもの。

 

そこで、一番の壁になるのはキャリアに対する上司の価値観です。実際私の例を挙げると

 

上司「今期の成績良かったぞ。昇進も考えているか?」
私「将来独立を考えていますので、広く経験を積みたいと考えてます」
上司「この会社で続ける気の無いやつはいらん!」

 

昇進の機会は無くなり、インセンティブが減額されてたことは言うまでもありませんが、この様に、上司のキャリア形成に関する価値観をアップデートしない限り、キャリアコンサルティングを効果的に行うことは難しいのです。

 

 

上司はどのような項目についてヒアリングすべきか?

キャリア自律性を高める上で、具体的にすべき項目というのがあります。上司の皆さんがキャリア形成の支援を行う場合は、下記の項目についてヒアリング&支援を行うことをお勧めします。

※相談する側が損をしない体制は必須※

 

①関心
 ●将来描いているモノ
 ●理想像
 ●将来の計画
 ●準備していること、すべきこと

②思想
 ●決断すべきこと
 ●自身がどんな責任を負うか
 ●どんな信念が根底にあるか

③好奇心
 ●成長機会をどう探すか
 ●疑問に思っていること
 ●社会への関心や疑問

④自信
 ●有効的に仕事をこなせているか
 ●能力を発揮できているか
 ●問題をどの様に解決しているか

 

 

まとめ

とにかく日本の企業は「業務に関するコミュニケーション」しかとれません。ぜひ、社会の変化を正確に捉え、生き残りに必要なものを積極的に取り入れてみてください!

 

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