突然ですが、皆さんが今まで会社で受けさせられた研修で、「今も覚えているためになったもの」ってどれぐらいあるでしょうか?

 

…きっと沢山あることだろうと思います(笑)今回は中小企業の人事や経営者の方向けに「今の時代の人材育成に必要なもの」というテーマについて、3つのポイントでお話ししたいと思います。

 

 

「成長したい」と思ってない?

パーソル研究所「働く1万人成長実態調査」を見ると、そもそも仕事を通じて成長したいと思っている人材は少ない様です。

●仕事を通じて成長したいと思っている人:60%
●成長に関心がない人:38%

また、成長したいと思っている人でも「この1年で成長できたと感じている人」は50%程度であることも分かっています。これらを鑑みると、人材の育成・成長のために“研修を一方的に押し付ける方法”を見直す時期にきてるのではないでしょうか?

 

 

ただ、キャリアコンサルタントとして様々な人材からヒアリングしてきた経験上、この4割の人材も成長したいと思っていないわけではなく、

 ●その会社で成長したいと思うだけの「欲求・動機」を見いだせてない
 ●「欲求・動機」があっても、会社が満たせる環境にない

といった捉え方をする方が実態に近い様に感じます。

 

 

勤続年数が上がると「欲求」を満たすのが難しくなる

上記を踏まえると、今の時代に社員の成長を促すためのポイントが2つ挙げられそうです。

その仕事・会社で成長したいと思えるだけの「欲求・動機」を見いだす支援を行う
②成長を『実感』できる工夫

 

ただ、一口に「欲求」と言っても、あまりに意味するものが広くなるので、参考データとして『社員が会社に求めているもの』が分かるある統計をご紹介します。

画像出典:PRTIMES「今の職場に満足していない人は半数以上!職場満足度からわかる社員たちの本音とは?『職場環境への満足度調査 2019年度』」

 

上記から「社員が求めているもの」を逆説的にざっくりまとめると、以下の様になります。

【勤続年数の低い人材が求めるもの】
 ●やりたいことができる環境
 ●魅力的な仕事内容
 ●成長できる環境
 ●威圧的、融通の利かない人に邪魔されない環境

【勤続年数高い人材が求めるもの】
 ●会社の安定性
 ●会社の成長性
 ●社内の公平性

 

 

ここでポイントになるのは、

①勤続年数の低い人材が求めるものは、動機付けの支援や、達成のための環境整備が比較的可能
②勤続年数が高まるほど、いち上司や担当者の影響力では満たすことのできない欲求に変わる

という点です。

 

 

成長の支援方法を変えることは「人材不足」の解消にも繋がる

察しのイイ方は気づいていると思いますが、勤続年数の高い方が求める「仕事・会社を続ける上で求める欲求」を満たすには『転職』が手っ取り早い。逆に言うと、社員の「その会社を続けるだけの動機付け」をいかに早い段階から行えるかが、長期的に人材確保できるかどうかを左右します。

 

ぜひ、会社の自己満足的な研修を見直し、部下を伴走的に育成できる上司を育てることにフォーカスしてみてはいかがでしょうか?

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